モンストのフェルメール

フェルメールは私の推し画家だが、有名アプリゲームのモンスターストライクにキャラクターとして出演しているらしい。

そう聞き付け、この前モンストをダウンロードしてガチャを引きまくったが、携帯が通信制限されただけでフェルメールは出なかった。

だが、図鑑機能でフェルメールの絵柄を見ることは出来たので、勝手ながら感想を書いてみたいと思う。

私はフェルメールの専門家でもないし、ただのファンだし、モンストに至ってはプレイしたことがないので、間違っているところとかあっても許してください。

また、フェルメールの絵には正式(?)な題名がなく、それぞれ好きなように呼んでいる。

今回は、大友義博監修、『魅惑のフェルメール全仕事』2015年発行 株式会社宝島社 を参考にしているため、この本の表記に従う。

 

フェルメールのキャラクター化について

まず、そもそもフェルメールをどうやってキャラクター化するか?という点を考えていきたい。

私がフェルメールをキャラクター化するのであれば、代表作「真珠の耳飾りの少女」でキャラクター化すると思う。(FGOダ・ヴィンチちゃんのような形。彼女はレオナルド・ダ・ヴィンチを名乗っているが、見た目はダ・ヴィンチの代表作、「モナリザ」の女性)

なぜならフェルメールには自画像が残っていないからだ。ゴッホのように自画像を描いていれば(前述、FGOゴッホは女の子。自画像があっても関係ないか…ちなみにゴッホちゃんはめっちゃ可愛い。)それを元にキャラクター化する事も可能だろうが、フェルメールはそもそもほとんど本人の情報がない。

唯一残っているのが、「取り持ち女」「絵画芸術」に描かれている男がフェルメール本人じゃないか?というものだ。これも暫定という感じだし、「絵画芸術」に至っては後ろ姿である。

「取り持ち女」↓

取り持ち女 (フェルメールの絵画) - Wikipedia

「絵画芸術」↓

絵画芸術 (フェルメールの絵画) - Wikipedia

容姿の情報がないフェルメールをキャラクター化するのはかなり大変だったと思う。(もしくは自由にできるから楽?なのだろうか。)

 

⚫モンストのフェルメールの容姿について

モンストのフェルメールを見た時の私の感想は「チャラそうだな〜」である。

フェルメールに金髪のイメージがなかったので、モンストのフェルメールが金髪のイケメンでびっくりした。

フェルメールがチャラ男というのもあながち間違いではないのかもしれない。フェルメールは子沢山であったことがわかっている。子が多い=チャラ男ではないが、フェルメールの死後、妻・カタリーナが自己破産を申請していることから、経済状況も考えず子を作っていたというのはチャラ男ぽい気がする(私の個人の意見です)

 

フェルメールの属性

モンストのキャラには属性がある。火、水、木、闇、光の5つである。

モンストのフェルメールは火属性である。

これはかなり意外である。私的にはフェルメールは「光の魔術師」と呼ばれることもあるので、光だと思っていた。フェルメールは光を描こうとした画家であり、描いた画家だと思う。フェルメールの絵は同じような構図が多い。窓が向かって左にあり、そこから光が当たっているというものだ。フェルメールの光は柔らかく描かれている。

私的には光では無ければ、水も向いているかなと思う。水というか青ですが。

フェルメールの絵にはフェルメールブルーという独特な色がある。

フェルメールは青を表す際、ラピスラズリ(日本語では瑠璃)という鉱石を惜しげも無く砕いて絵の具にした。ラピスラズリを使った絵の具は他の画家も使っている。しかし、高価であるため、聖母マリアの服の色など、特定の部分にしか使っていないことが多い。そんな特別な絵の具をフェルメールは何気ない日常の人の服などに使った。

これをフェルメール独特の青として、フェルメールブルーと呼ぶ。フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」も別名は「青いターバンの少女」だ。

フェルメールブルーの影響か、フェルメールのグッズは青いものが多い。

一例↓

https://loft.omni7.jp/detail/4582529503126-4582529503126?cateType=1&siteCateCode=0300700100000000

(私は今年も来年もこの手帳。何が良いかというと後ろにフェルメールがいるところ)

 

そんなフェルメールの属性をモンストは赤にしたのだから(私的に)意表をついていて凄い。

 

⚫モンストフェルメールのモチーフ

なぜモンストのフェルメールは意表をつき火属性なのか。

それはモンストのフェルメールは郵便屋さんをモチーフにしているからだ。

郵便屋さんと言われると、かなりの人が赤を連想するのではないだろうか。赤はバイクの色であったりポストの色であったりする。

しかし、フェルメールが郵便屋さんだったという話は聞かない。実際のフェルメールは宿屋さんと画家協会の理事をしていた。

ではなぜ、フェルメールと郵便屋さんを融合させたのか。

それには2つの理由が考えられるだろう。

1つ目は、フェルメールという名前自身にある。

フェルメールはアルファベットではVermeerと書く。日本語ではメールと発音するが、mailではない。しかし、メール=手紙=郵便屋さんとなったのではないか。

2つ目は、フェルメールの描く絵に手紙がよく出てくるからだ。

フェルメールの絵は現在37点ある(と言っても、フェルメールかどうか審議がある物もあるので人によりこの数は異なる。今回は最も多い数で表す。)

そのうち、手紙が関連する絵は「窓辺で手紙を読む女」、「青衣の女」、「手紙を書く女」、「婦人と使い」、「恋文」、「手紙を書く婦人と召使い」の計5点ある。

37点中の5点。割合にすると13.5%も手紙が出てくる絵である。(もっと多いと思ったが、意外に少なかった…)

ちなみに、フェルメール=赤のイメージはパッとは思いつかないが、フェルメールが赤を描いていない訳では無い。

「ぶどう酒のグラス」などの女性は赤のドレスを着ているし、「牛乳を注ぐ女」も赤いスカートを着ているし、「赤い帽子の女」はまさに赤い帽子をかぶっている。またフェルメール関連の作品である「聖プラクセディス」も赤っぽい服(ピンク寄り)を着ている。(「聖プラクセディス」は個人蔵だが、東京の国立西洋美術館で展示されていることがある。フェルメールの作品ではないとする人が大半だが私の好きな作品である。おすすめです。)

 

フェルメールのサイン

モンストのフェルメールは通常と進化、神化、獣進化と4パターン存在する。

その中で、通常と進化のモンストのフェルメールフェルメールのサインモチーフと見られるものがある。

画像の印をつけた部分である。

通常↓
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進化↓
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フェルメールは全作品にサインを入れている訳では無い。サインが入っているのは、「聖プラクセディス」(審議があるが)、「小路」、「恋文」、「ヴァージナルの前に座る女」である。

全作品中37作品中、4点。(数え忘れがある気がします…)

フェルメールのサインは「M」の真ん中に「I」をくっつけたようなものである。

 

フェルメールと真珠

モンストのフェルメールの神化、獣神化の絵柄ではかなり真珠が沢山描かれている。

神化↓
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神獣化↓
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やはりフェルメールと言えば「真珠の耳飾りの少女」の印象が強いのだろう。他にもフェルメールは「真珠の首飾りの少女」、「天秤を持つ女」、「手紙を書く女」、などでも真珠を描いており、フェルメール自身も真珠が好きだったのではないだろうか。

よく見ると、通常、進化のフェルメールも真珠の耳飾りをしている。これは「真珠の耳飾りの少女」の耳飾りとよく似ている。

 

フェルメールと毛皮

進化のフェルメールは首に毛皮のついたコートを着ている。



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神化のフェルメールはズボンの裾に進化と似た毛皮がついている。


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この白に黒い点がある毛皮は実際のフェルメールの絵にもよく登場する。

先程話に出た「真珠の首飾りの少女」もこの毛皮がついた黄色いコートを着ている。

他にも「リュート調弦する女」、「手紙を書く女」、「婦人と召使い」、「恋文」、「ギターを弾く女」でもこの毛皮がついた黄色いコートは描かれている。このコートはフェルメールのお気に入りだったのだろうか。実際にこのコートはフェルメールが所持していたらしく、記録が残っている。

 

⚫結論

モンストのフェルメールはかなり実際のフェルメールフェルメールの絵をモチーフに盛り込んでおり、凄い!!!!!!